令和7年度おたより
運動会に向けて
2025-09-30
園庭では暑さと相談しながら、「よーい、ドン!」とかけっこしたり、障害物競走に向けて取り組んだりしています。
中でも年長さんは、今までの5年または6年の人生の中で、これほど頑張ったことはない!と思うくらい、一生懸命、来る日も来る日も課題に向かっていきます。
課題に向き合うというのは個人の取り組みかもしれませんが、孤独な取り組みではありません。そこには同じ課題に向かっていく仲間の存在が欠かせません。
「○○ちゃん、出来るごとならしたよ!」
「△△ちゃん、がんばれ~!」
「□□ちゃん、あとちょっとで、出来そう~」
頑張っている仲間の姿を知っているから、自分も頑張ったから、仲間が課題を乗り越えた時の喜びもひとしおです。
あとは、大きなケガや病気のないよう、みんなで元気に当日を迎えたいですね。全ての子どもに大きな拍手をお願いします。
子どもの足育て①
2025-08-22
立つ、歩く、走る、跳ぶ、ふん張る、よじ登るなどの基本的な動作に大きく影響している「土ふまず」ですが、足の指(趾)を使うことで形成されていきます。
足の指(趾)を動かすには砂場や積木・動き回る遊び・散歩などで手足を使い、固定遊具や道具を使う遊び(登り棒やうんてい、鉄棒、ブランコ、縄跳び、ボール遊び、跳び箱など)で全身を使い、仲間に動かされる遊び(押しくらまんじゅうや相撲、鬼ごっこ、ドッジボールなど)で、ふんばる、急に走る、止まる、方向を変えるといった遊びを幼児期から学童期にしっかりおこなうことがとても大切です。
そして、足が開放されたぞうりを履くと一歩ごとに鼻緒を足の指(趾)でつかむ動作が自然にできるようになります。
ぞうりは幼児期から学童期の子どもにとって理想的な履物だと思います。
よく歩き、よく遊ぶことを心がけてあげましょう。
2歳児ってなに?③
2025-07-18
昨日まで、いやついさっきまで「ジブンデ!」と言って、できることも、できるかどうか微妙なことも果敢に挑んでいたのに「デキナイ…」「ヤッテ!」と甘えてきたり、「ダッコ~!」と言って泣いて見せたり、歩かなかったり…
この「気まぐれ」にも見えてしまう姿こそ2歳児心理の真骨頂。揺れ動く2歳児の言動は、いくら「ジブンデ!」「デキル!」と言ってもまだまだ2~3年の人生歩みだしほやほやです。自立に向けて大きな一歩を踏み出してはいますが、踏み出したばかりにすぎません。自立への強い思いやこだわりはあるものの、あくまでも「依存しつつ自立する」存在なのです。
依存と自立は一見すると矛盾しますが、安心して依存できる大人がそばにいて、はじめて子どもは安心して自立への一歩を踏み出していけるのです。
そんな時は子どもが落ち着くまで依存させてあげましょう。
子どもの自我を呼び醒ます名前の呼び方を 「斎藤公子保育実践全集③ 保育とはなにかー対談」より 斎藤公子/著
~前略~
自我が拡大・充実するころに子どもの名前を呼ぶというのは、子どもにとっては単に名前が呼ばれるというのとはちがい、子どもの方もこちらの名前が呼べるという、そういう水準に達して対等な関係が成立していくことなのです。~中略~
さらに、このころの子どもの名前を呼ぶというのは、子どもへの呼びかけであるだけでなく、子どもの自我への呼びかけなのです。拡大・充実しようとしている自我にたいして自発的にしっかり内面を充実させていきなさいよという、とても大切な、人間的な価値の高い教育的な呼び醒ましでもあるのだと思います。呼ぶよりも醒ます、心を内から醒ますということですね。そういう思いと、そういうはたらきをもった呼びかけであってほしいと思います。
自我が充実していく時なのだから、一人ひとりの自我の内面にまでしみとおるような心のこもった名前の呼びかけ方が、工夫されてほしいですね。~後略~
2歳児ってなに?②
2025-06-24
~「なんでも反対!」で確立する誇り高き「自分」~
ムスメはこのごろ本当に扱いづらくなってきました。なぜ扱いづらいのかというと、すぐこの言葉が出るからです。「イヤッ!」。もう何でもかんでもイヤッ!イヤッ!なのであります。
以前のムスメは、我々両親が「反対言葉」と呼ぶ行動をとっておりました。例えば、ムスメがごはんをもりもりと食べているので、「ふみちゃん、ごはんおいしい?」ときくと、「ゴハン、オイヒクナイ」と答えるのです。「おいしくないなら、ごはん食べるのやめようか?」というと、「ゴハン、タビルノヤメナイ」といいます。「お便所でおしっこしようか?」というと、「オベンジョデ、オヒッコシナイ」というので、「ふみちゃんは、お便所でおしっこしないもんね!」というと、「フミチャン、オベンジョデ、オヒッコスル!」と答えるのであります。
とにかく親のいうことには何でも反対しておりました。最近はこれにイヤッ!が加わりまして、朝起きてから夜寝るまでに、何度「イヤッ!」が出てくることか……。あまり反抗ばかりするので、「これでいいのだろうか……。育て方が間違っていたんじゃないだろうか?」と時々心配になることもあります。しかし、「まあ……、今はこういう時期かもしれん……」と自分に言い聞かせ、ムスメをますますお殿様にしてしまうわけですが……。
「ムスメ日記」より(高岡凡太郎著)
すでに子育てのこの時期をくぐり抜けられた親御さんなら「ああ、そうだったそうだった」「大変だったけど、今思えば楽しかったかも…」。現在進行形でこの旬を生きている子どもたちを育てている親御さんにとっては、本当に終わりが来るのだろうか…と心配されるところもあるかもしれません。
2歳から3歳の旬を生きる子どもたちは、とにかく相手に反対することで、「自分」というプライドを持った誇り高きかけがえのない存在を、より強固なものにしたいのでしょう。なので「反対」とはいうものの内容がともなっていないことが多く、反対したいから反対する、そうすることで、「自分」を確立していっているのだと思います。
この誇り高き反抗的な姿は、自分の頭でしっかりと物事を考え、自分の力でそれを成し遂げようとする成長の姿。
生まれてたった2~3年の子どもが、世界に主体的に積極的に関わり、今をそして明日を意欲的に生きていこうとする、そんな自立への第一歩の姿なのです。
たのもしいですね。
2歳児ってなに?
2025-06-09
なんでもやりたがる2歳児~こんなに自分は「デキル」のに!~
自分で、自分で
なんでも自分でやらないと気が済まないゆうたろうくん(2歳1か月)。ドアの開け閉めにはじまり、服の着替え、靴の着脱、荷物を持つ、フタの開け閉めなど。シートベルトの着脱、食べ物の分配、電気のスイッチを押すまで、自分で出来ないことも「自分でするのー!」と言い張ります。こちらがついやってしまうと、ジダンダを踏んで怒り出します。逆に「ゆうたろうくん、これ、自分でしてね」と言うと「お母さんがしてー!」と怒り出す始末。本当に困り果ててしまいます。2歳児だからしかたないなあ…とは思うのですが、こちらもいつもいつも平静ではいられないので、最終的には「いいかげんにしなさい!」と怒るはめになったり…。こんなことが日々繰り返されています。
「子どもとつくる2歳児保育 ゆうたろうくんのお母さん(岡山・元気っこ共同保育所)」より
朝の登園準備で忙しい時間帯、子どもの「自分でする!」に付き合うのも一苦労…。仕事を終え、お迎えに行くと「まだ遊ぶ!」なかなかすんなり帰ってくれない…。
2歳児という新たな時代へ踏み込んだ子どもたちは、とにかくなんでもかんでも自分でやらないと気が済まない。しかもなかなかの割合で、自分一人ではできそうにないことや、時間がとてもかかってしまいそうなことを「ジブンデ!」と主張してきます。
ぼくは歩けるようになった。でもそれも、もうずいぶん昔の話。今では思いっきり走ることだってできるし、高いところから飛び降りることだってできる。ご飯だって自分で食べられるし、言葉を使っておしゃべりもできるようになった。ちょっと前まではうまくおしゃべりできなくて、しかたなく泣いたりぐずったりしていたけど、今では自分がしたいこと、してほしいことをちゃんと言える。こんなにぼくは「デキル」ようになったんだよ!なのになんで「デキナイ」なんて言うの?
「子どもとつくる2歳児保育」より
という子どもの言い分が聞こえてきそうです。
表面的には「ワガママ」「反抗的」と思ってしまうような姿ですが、2歳児時代(2歳児の旬)を生きる子どもたちの成長・発達の姿がここにはあります。
「甘やかしすぎたのでは?」「ワガママをやりたい放題にさせると大変なことになるのではないか、厳しくしないと」等々、悩まれるところも多いかもしれません。ですが、2歳児の時には誰でもが通る自然な成長の道筋です。
大人は「やれやれ」と一息ついて「この子もそういう年頃になったんだなあ」「成長したなあ」と、寛大な気持ちで受け止めましょう。





